記事一覧

あの学校 時事番外

この学校は生徒の気が全員狂っており常に何かを壊したりしていないと落ち着かなかった。そういう事を制止するとより大きな破壊が起こった。だからいつも何かが壊れいつも何かを直しているのが普通の状態だった。大体が水道の蛇口がねじ切られたりドアノブがへし折られ開けられなかったりしている。生徒たちはそういう状態に慣れていたし、自分で壊したもので自分が困るような因果応報にも受け入れていた。受け入れたといっても大抵が暴力になったり別の破壊に繋がった。この悪循環はこの学校のイデオロギーそのもののように止まらなかった。

いつものように登校し1限目の英語という名の西洋ポルノの垂れ流しがクライマックスで映像が止まった。「殺すぞ!」「さっさと直せ!!」「このクソ女の口だけじゃもう出ねえんだよ!」。授業中フェラチオして回らされていた女生徒が髪をつかまれてパイプ机の足にガンガン叩き付けられている。このため英語の授業は人気があったが、私はフェラチオ恐怖症なのでやり過ごしに苦労していた。しばらく騒然としたがモニターの映像だけではなく教室のライトも消えて薄暗くなっていた。これは停電ではないかといかに低俗な生徒たちでも言い始めた。

ベルは鳴らないが授業の終わりの時間になり生徒たちは席を立ち始めた。ただ騒いでいるのは最後の順番でイケなかった男子生徒だけであった。私も席を離れていつものように体育館前の冷水機に向かって水を飲もうとした。しかし冷水機のペダルを踏んでも水が出ない。気づくと私は冷水機に何度もヒザ蹴りを入れていた。本体が大きくゆがんでもうまともに動きそうになかった。私もこの学校の生徒なのだと強く感じた。

体育館ではライトが消えて闇に乗じて誰かが気に入らない誰かを殴ったことをきっかけに乱闘が起きた。体育の授業中でみな動きやすい格好をしていたので激しいものになった。バレーボールのネットでがんじ搦めになり跳び箱の段で殴り回したり流血騒ぎだった。プールの方ではシャワーの水が出ず、塩素臭い体を洗えないことから来る不満でやはり乱闘になった。ビート板で殴ったり、水に叩き落としたり、消毒剤を投げ付けプールに大量に流し込んだりした。

この学校を停電と断水が襲ったのだ。どこかの完全に狂ったバカが設備を壊したのだろう。これはろくでも無いことになる。早退したかったがここ暫く早退者のあまりの増加に生徒会が規制を加え始めた。あの連中は気が狂っているのでこんな状態になっても方針は変えない。あと最近早退者を殺す早退者殺害部というものが結成され授業中・休み時間を問わず帰ろうとする者を遠距離からさまざまな物を使って攻撃してくるので早退は大きなリスクが生じるようになった。

私はこの学校生活での最悪の1日のひとつになると直感した。育ち盛りの生徒たちに水も食物も1日中与えられない。購買部はとうぜん襲撃や略奪を見越して閉鎖していた。食べ物を持ち込んでいるやつは強奪される。プールの水は乱闘の過程で消毒剤が大量に混ざって飲めなくなってしまった。電気が来ないので授業は教科書を使うしかなく退屈に耐えかねてとうぜん暴力沙汰が頻発する。レイプのための女生徒の奪い合いも始まる。愚劣なことにほかの設備もまた次々と破壊され始めるだろう。私はすでに冷水機を1台壊してしまったのだから。